Q.さっそくですが、たぶちさんの講座でのご担当は?
マネージャーとして受講を検討している方の相談会、受講生さんの受講管理や就職相談など、事務全般を担当しています。
Q.プライベートのことで恐縮ですがオフは何をしていますか?趣味、特技、好きなこととかあれば教えてください。
犬がいるので、休日はできるだけ犬と過ごすようにしています。
晴れの日はドッグランに行ったり、近くの河川敷にお散歩に行ったりします。
雨なら室内でボール遊びやかくれんぼ(わたしは隠れる専門)をしてストレスを発散させます。
運動神経が良い犬種なのでアジリティ(犬の障害物競走)に向いていると思うのですが、飼い主も指示を出しながら一緒に走らなければならず、犬の足手まといになる勇気が出せずにいます。
私自身はおうち大好きインドア派なので、家をいかに心地よい場所にするかを考えることが好きです。
掃除、整理収納、模様替えの達成感はやめられません。
Q. トップ写真に選んだ「わたしの1枚」についてお聞かせください。
梅の木です。
私が生まれたときに両親が庭に植えてくれた誕生木です。
ほかに両親がこの家に住み始めたときに植えた白の二股の花水木と、姉が生まれたときに植えたピンクの花水木もあります。
暑い日も寒い日も水やりや剪定をし、台風の時には折れないよう固定したり、元気がない時はお薬をやったり、両親がしっかりお世話をしてくれたからこそ、この梅の木も私もこれまで元気で来られたんだなあと思います。
Q.そんなたぶちさんの「これまで」について自伝的に熱く語ってください!
◆日本語との出会い「一台?一枚!」
この「一台?一枚!」は20年以上前の携帯電話の広告です。
みなさんはこのキャッチコピーで発売された携帯はどんな形だったと思いますか?
当時、携帯電話はどんどん小さく薄くなり、パカパカと呼ばれるふたつに折りたためるものが出始めた頃でした。
助数詞のみで機械というよりむしろ紙のように薄い携帯であると訴えるこのセンス。
私の姉がこれをもとに大学の卒業論文を書いていて、私はコピーライターを尊敬すると同時に、このとき初めて日本語を言語として認識しました。
姉は大学で日本語教育を学んでいたので日本語教師という職業もこのとき意識したような気がします。
◆日本語と音声漬けの大学時代
日本語教師になる!と意気込んで大学に入ったわけではありませんでした。
もともと教育学に興味があったのと、1回生のゼミの先生がたまたま日本語教育と音声学の専門だったことがきっかけで、どどどっと日本語の世界にはまっていきました。
特に、何気なく使っている日本語が言語学的な法則で理由づけできることが面白く、日本語音声を理論的に分析すること(音韻論)に興味がありました。
例えば・・・
1.野球声援の「かっとばせー!●●●!」の名前の部分
掛布選手は「か、け、ふ!」、矢野選手なら「や、あ、の!」ですよね。では清原選手は?「き、よ、はら!」です。なぜ「や、の、お!」や「きよ、は、ら!」にならないのでしょうか。
2.みなさんが日常的に使っている略語
「パンフ(レット)」、「メンテ(ナンス)」は頭3文字なのに、「ロケ(ーション)」はロケーでなく、「デモ(ンストレーション)」はデモンじゃないのはなぜでしょうか?
3.一度は聞いたことがある言い間違い
「てっこんキンクリート(正;てっきんコンクリート)」や「エベレーター(正:エレベーター)」、どうしてこの間違いになるのでしょうか?
・・・これがすべて音韻論で説明がつくことに感動したわけです。
(※大学の授業中、白目をむいている学生が多かったので興味がもてなくてもどうか心配なさらず!日本語教師にはなれます。)
◆社会人から学生へ 大学院生活
大学を卒業して日本語教育に携わる中で、外国人の日本語のイントネーションを研究したくなり、数年後に大学院へ進学しました。
ゼミでの禅問答(中村先生のインタビュー参照)や修論執筆は甘くはありませんでしたが、同じ日本語教育に興味を持つ同期と議論したり、
課題に取り組んだりすることは刺激的でとても楽しかったです。
進学前は、見知らぬ土地で(陸の孤島のような田舎の大学でした)学生に戻ることや授業についていけるかという不安に押しつぶされそうでしたが、いざ飛び込んでしまえば励まし合える仲間ができて、そのときに出来ることを精一杯すれば後悔もないと気づきました。
◆韓国生活
大学院修了と同時に韓国の大学に就職しました。
日本では学習者はみんな前のめりの授業でしたが、韓国の大学には単位のために消去法で日本語を選択したような学生もいて戸惑いました。
日本でうまくいっていた授業が通用せず、手を変え品を変え、手取り足取り授業をする毎日でした。
「はて、わたしは小学校の先生だったかな?」と思う瞬間もありましたが、新しい活動に挑戦して手ごたえを感じたり、日々学生の成長を感じると、目の回るような忙しさでもまたがんばろうという気になりました。
やる気のなかった学生が日本語で話しかけてきたり、日本語で手紙をくれたりするようになると、1日にやにやが止まらないほどうれしかったです。
Q.養成講座で印象に残っているエピソードとか、講座担当者として大事にしていることとか、教えてください。
京都校は2019年8月に開校しました。
うれしいことに、その2か月も前から相談会に来てくださる方がどんどん増え、日本語教師という職業に対する想いや不安を伺ってきました。
相談会にお越しいただくまでに、どなたも少なからず壁や葛藤があったと思うので、疑問や不安を減らせるよう、お一人おひとりじっくりとお話しするようにしています。
単純かもしれませんが、毎週、受講者の方々が元気に(ときには模擬授業を控えて緊張しつつも…)通学してくださることがうれしいです。
いま京都校に通っておられる方の中には、早いもので、あと2ヶ月でコース修了となる方がいらっしゃいます。
夏から毎週顔を合わせているので、修了後のことを考えると今からちょっとさみしいですが、修了後も気軽に立ち寄れるような場所にしたいなと思っています。
Q.最後に日本語教育を学んでいる方々、これから学ぼうとしている方々にメッセージをお願いします!
通学コースで日本語教育を学ぶことをおすすめする理由は、一緒に学ぶ人「クラスメート」の存在です。
養成講座にはいろんな背景や経験をもつ人が集まっています。
ほかの人のいろんな意見やアイデアに触れることでお互いに影響し合える環境です。
KLAでは理論を学ぶ授業にもさまざまな活動が組み込まれています。
受講者の方が発言する機会やグループで話し合ったりする時間も多く、教室から先生だけでなく受講者さん同士の話し声や笑い声が聞こえてきます。
せっかく貴重なお時間とお金をかけて学ぶのですから、目の前に先生とクラスメートがいる教室で日本語教育の世界を楽しみませんか?
カテゴリー: はんなり京都校ニュース 講師・職員の横顔 | 2020.02.07